華の世界


「そうだ。怖がらせちゃったお詫びに
ちょっと教えたいことがあったんだ」


「…?」
なんだろう。


「あのね、ちょっと調べたんだけど」


「君がいつも見てる香水、"楽園"をイメージして作った物なんだって。
俺もかいでみたけど良い香りだよね」


…楽園?

「…――。」


「…あ、あれ?もしかして知ってた?」


「ううん。知らないけど…見えた。」


「え?何が?」

……。






楽園…


楽園。


キラキラした七色の光に
風に舞う花びら。
鮮やかな色の樹々。

天国に行ったみたいな綺麗な世界。



ああ、どうりで…


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