華の世界

外は嫌いだ。

外に出れば陽が当たる。人もたくさんいる。

だけど外に出なければいけない事情がある。

高校1年。学校に行かなくてはいけないのだ。

「高校なんか大嫌い…行きたくない」

だるい足を引きずりながら外へ出る。




ありがたいことに、通っている高校にイジメは無い。
みんな相手にしないで無視してくれる。
私みたいな暗い奴、ほかの高校なら絶対、カモになってると思うんだ。

高校は嫌いだけど、それだけを考えれば
ここに入学できたことに感謝。



授業が終わると真っ先に家に帰って
そのまま家でダラダラ過ごす日々。

……が、最近ちょっとだけ変わったことがある。

こんな暗い女だけど、家の中以外に
もう1つお気に入りの場所が出来た。



夜になったら毎日行くお気に入りの場所。

それが近くのドラッグストア…のフレグランスコーナー。

あのドラッグストアは近所の人しか使わないし、夜は殆ど人が来ない。
なんて便利なんだろう。

「田舎で良かった。」

わくわくしながら夜を待つ。
< 2 / 15 >

この作品をシェア

pagetop