華の世界
外は嫌いだ。
外に出れば陽が当たる。人もたくさんいる。
だけど外に出なければいけない事情がある。
高校1年。学校に行かなくてはいけないのだ。
「高校なんか大嫌い…行きたくない」
だるい足を引きずりながら外へ出る。
ありがたいことに、通っている高校にイジメは無い。
みんな相手にしないで無視してくれる。
私みたいな暗い奴、ほかの高校なら絶対、カモになってると思うんだ。
高校は嫌いだけど、それだけを考えれば
ここに入学できたことに感謝。
授業が終わると真っ先に家に帰って
そのまま家でダラダラ過ごす日々。
……が、最近ちょっとだけ変わったことがある。
こんな暗い女だけど、家の中以外に
もう1つお気に入りの場所が出来た。
夜になったら毎日行くお気に入りの場所。
それが近くのドラッグストア…のフレグランスコーナー。
あのドラッグストアは近所の人しか使わないし、夜は殆ど人が来ない。
なんて便利なんだろう。
「田舎で良かった。」
わくわくしながら夜を待つ。