【短編】さよならだと思ってた。
「瑞奈、結城くんって変わったよね?」


親友の美香は、亮に視線を向けながら言った。


「えっ?
なにが?」


私には、わからなかった。


だって、そばにいる私には変わらないから。


「あぁー。
あの噂だろ?」


幼なじみの秦。


「噂?」


「本命ができたとかだろ?」


秦の親友の武くん。


「本命?」


嘘でしょ?



「かなり噂になってるよな。
今までは、とっかえひっかえで同じ女とは、あまり関係を持たないらしいのに。」



秦が羨ましそうに言った。


終わり.....か。


こんなに噂なら、私と亮の関係は終わり。


呆気ないな。


覚悟決めなきゃ。


『さよなら』


言わなきゃ。


私は、そこまで強くない。


彼に本命がいるのに関係を続けるなんて気が可笑しくなりそう。
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