【短編】さよならだと思ってた。
「抱いてください。」


精一杯だった。


今日で最後。


彼は、目を見開いたけど私の要求をのんでくれた。


私は、少しでも彼との時間を延ばしたくて。



しがみつくように抱きついた。


彼のふいな笑顔。


勘違いしてしまう。


私を好きなんじゃないかって。


けど、ダメ。


もう涙が....


「泣くな。」


いつもより優しい言葉。


それだけでいい。



大丈夫。
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