【短編】さよならだと思ってた。
「俺は、自惚れていたのか?」



私の後ろから1ヶ月以上聞けなかった声。


私は、怖くて振り向けなかった。


「もう遅いか?」


亮が私を後ろから抱きしめた。


「どうして?」


わからないよ。


「瑞奈と結城って....」


秦は、ビックリして戸惑ってるし。


美香もで。


「秦、美香ちゃん行くぞ。」


武くんは、気を使っていなくなった。


「俺の前からいなくなるなよ。」


弱気な声。


「だって.....」



私と亮は、体だけの関係。


「もうお前なしじゃダメなんだ。」


「嘘だ....
本命が....」


「瑞奈が本命。
俺、お前だけだぞ。
毎週呼ぶ女。
てか、俺から連絡なんてしたことないから。」


「嘘だ。」



信じられない。


「嘘じゃない。
最初は、お前も一緒だと思った。
けど、なんか違ったんだ。
そしたら、どんどんお前にハマった。
瑞奈が好きだから、離れるなよ。」



私は、頷くだけで精一杯だった。
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