冷たい夜は桜の色
「毎晩夜になると必ず部屋の外を人の足音がするんだ決まった時間に毎晩一日も休まず、それも僕が入院してからずっと。
僕は最初お化けだと思ったんだ。病院ってさ、そういう噂よく聞くでしょ?
だから毎晩怖くて寝れなかったんだ。
でもある日、僕は勇気を出して部屋のドアを少しだけ開けてお化けを待っていたんだ。
けど現れたのは女の子だった。後をつけていくとここに来たわけ。
それからも毎晩君のはここに来ていた。だから今日も来ると思ったわけ。」

話終えると満足そうに笑ってこっちを見た。

見られていたなんて全然気付かなかった。

私は見られていたことで恥ずかしくて下を向いた。

『ストーカーじゃん・・・』

「そいうだね。ごめん、でもどうしても美加ちゃんと話がしたかったんだ」

『なんで私なんかと話したかったの?私話すの苦手だし第一病院で私は誰とも話したことないし・・・』

私がそういうと隆は窓のほうを見た。

「気になったんだよ。毎晩ここにきてここの窓から何を見ているんだろうって。」






< 14 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop