冷たい夜は桜の色
「あの桜はきっと咲く!美加ちゃんが必要ないなんて絶対にない!」
強い口調で話す隆。
そして私の涙を指で拭きながらやさしい口調で言った。
「きっとあの桜は咲くよ。そして美加ちゃんは病気が治って。結婚して、かわいい子供と家族と幸せになるんだ。僕はね未来がわかるんだ。だから信じて。二度と自分が必要ないなんて言わないで」
そう言って笑顔で私を見た。
「うん・・・信じる。」
私だってたかが未来がわかるなんて嘘だってわかってる
でも嬉しかった。こんな私でも幸せになれる。うんん、私でも幸せな未来を信じていいんだって
隆に言われると本当にそう思えた。
信じたいと思った。
今まで自分が幸せだと思ったこともなかったし、幸せになれるなんて考えたこともなかった。
けど隆は幸せになれると言ってくれた
だから信じてみる
自分でもなく。幸せな未来でもなく。
隆を。