冷たい夜は桜の色
あれ以来隆がここに来ることはなかった。
多分私を嫌いになったのだろう。
相変わらず木に変わりはなかった。
ひっそりと他の木に隠れるようにたたずんでいる
結局何も変わらないのだ。
時間が同じリズムで流れて今が過去になるだけ。
希望や期待は手に入ることなくただ暇な日常がそこに待っている。
そんな日々がこれからもただ続いていくだけなんだ。
そんな黒い感情が私の胸を駆け巡り私の心にまきついていく。
そしてそれはずしりと重い鎖となって私を暗くて冷たい底へと引きずり落としていった。