冷たい夜は桜の色

次の日抜け殻のような隆が病院の廊下で発見された。

朝検査のために出かけようとした看護婦さんが発見したらしい。

発見された隆は精神が崩壊したようで

「親指が・・親指が空をとんでるよ。ははは・・・」

などとわけのわからないことを繰り返し話ていたらしい。

私はその話を検査の時に聞いた。

私はその突端に噴き出してしまった。

いったいどんなことをされればそんなことを言うようになるのか。

そうして検査が終わるまでそのことを考えていた。

親指がどうして空を飛んだのか?私はおもしろくって今夜隆に会ったら聞いてみようと思った。
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