冷たい夜は桜の色

変化


シャッ!!

白色のカーテンを勢いよく開けると暖かい朝の日差しが部屋の中に差し込んだ。

今日もいい天気だ。

私はいつものように窓を開け、自分のベッドに腰掛けた。

隆とミッコーランドにいってからもう一週間もたってしまった。

今でもまだあの日の事がはっきりと頭の中に残っていて、不思議な感じ。

私は目を閉じてあの日の事を思い出した。最近ではよくこうしてあの日の思い出を振り返るのが私の新しい日課になった。

私は目を開けてうーんと背を伸ばす。

あげた右手首からくるくるとブレスレットが落ちてくる。

私は隆がくれたブレスレットに目を移す。

ほしそうにしていた私に隆が買ってくれたブレスレット。あの日からずっと身につけている。

そっとブレスレットを触るとくるっと一回転してまた私の右手首に収まった。

前と変わり映えしない生活に戻ってしまったけれども、私の中で何かが動き出した気がした。 

目に映るすべての景色がなぜか前とは違った印象を持つようになった。

裏庭に咲いている花を見るようになったり、外の景色を見てもなぜか前とは違う景色のように思えた。

いつも見ていた景色だったのに、なんだか色が増えたみたい。

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