冷たい夜は桜の色
《ただいま戻りました。》
そういって婦長に告げ椅子に座った。
婦長はなにも言わずにコーヒーを私に入れてくれた
《すいませんいっつもいっつも、》
私は入れてもらったコーヒーに口をつける
「本当に美加ちゃんの事が大切なのね、」
《あたりまえじゃないですか。なんでそんなこと聞くんです?》
「さっきあなたを探しに行ったときに美加ちゃんの病室の前であなたの声が聞こえてきたの。あんなに感情出して話をするんだもの、もっとも三船さんはいつも感情丸出しだけれども」
さっきの聞かれちゃってたのかそれもそうだこんなに帰るの遅いんだもんな、
そう言ってハンカチを差し出してきた。
??
ハンカチの意味がわからない私に婦長は顔を指差した。
そっと自分の顔に触れてみた。
目からは涙が流れていた。
私泣いちゃってたんだ。どおりで話にくいと思った。
私は婦長からハンカチを借りると涙を拭いた。
「それにしてもなんでそんなに美加ちゃん達のこと気にかけているの?」
《ほっとけないんですよ。》
私がそう言うと婦長は考えるしぐさをした
《じゃぁ私仮眠取ってきますね》
「行ってらっしゃい。でもあまり患者さんと仲良くなってはだめよ?わかった?」
《わかってますよ・・。では行ってきます。》
そういってナースステーションを後にした。