冷たい夜は桜の色

『もう耕太恥ずかしいからああゆうことやめてよ』

「ああゆうことって?」

私たちは駅前で買ったクレープを食べながら街の中を歩いていた。

『だ~か~ら!急に人前で抱きついたり大声で名前呼んだりよ』

「なんでいやなの?」

『いやに決まってるでしょ!なんてゆうか恥ずかしい・・・」

私はさっきの事を思い出して恥ずかしくなった。

「そっか。じゃ今度から抱きつくだけにする」

『そうゆことじゃなくて!もういい耕太なんて知らない!』

そう言って耕太を置いてずかずかと町の中を突き進んでいく。

その後ろをごめんごめんと言いながら耕太がついてくる。

これが私たちのスタイルになってしまった。
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