冷たい夜は桜の色

「つきましたよお客さん」

そういうタクシー運転手に1万円を渡し、タクシーを飛び降りた

「お客さん!おつりは」

私はその声を無視して無我夢中で走った。

その時の私にその声は届いていなかった。

うそでしょ、なんでよ。

その言葉だけが私の中に響いていた。

走って走ってたどりついた部屋のドアを開けた。

『耕太ー!!!』
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