冷たい夜は桜の色

そこにはいつもみたいに私の名前を呼んでくれる耕太はいなかった。

部屋の真中には目をつぶって眠っているような耕太がいた。

『ねぇ耕太私だよゆかだよ。』

私は耕太に近づいてほっぺたを触ってみた。

冷たい。

そこで初めて状況を理解した。

頭では理解できても体が言うことを聞かない。

私は耕太の体を優しくゆすった。

『耕太ねぇ目を開けて?おねがい・・だから・・。』

涙がでてきてうまく言葉がしゃべれない。

『今日ね私遅刻しなかったんだよ。耕太に会いたくて早く行ったんだよ・・・』

『ねぇ、私の名前呼んでよ、もう大声でよんでも怒んないから・・・抱きしめてよ周りなんて気にしないから・・・こうたぁ・・・いつもみたいに好きって言ってよぉ・・・。』

『言ったじゃない俺がずっと幸せにするって。あの約束はどうするの?私が約束破るの嫌いって知ってるでしょ?嫌いになっちゃうよいいの?』

どれだけ話しかけても耕太は返事を返してはくれない。

私に笑顔で好きって言ってくれた耕太はもういない。

『耕太ぁああああああああああ』

そこで私は立っていらなくなった。

何時間も泣き続けた。
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