冷たい夜は桜の色

その次の日に耕太の葬式が行われた。

正直その時の事は覚えていない。

気がつくと私は着替えもしないまま家のベッドで寝ていた。

「耕太ぁ・・」

私は誰もいない部屋にむかって名前を呼んだ。

耕太が持っていた紙袋が目に入った

私はそれを手に取ると中身をみた小さな箱とそれより少しだけ大きい箱が入っていた。それとメッセージカードそこには。

「美加は遅刻ばっかりするから」

そう書かれていた私はそのカードがついていた箱を開けると中には時計が入っていた。

『耕太のばかぁ・・・耕太がいなきゃ遅刻すらできないじゃんかぁ・・・。』

いままでもう枯れてしまったと思った涙がまたあふれだした。

もうひとつはなに・・・?

もうひとつを取り出してみた。きれいな小さい箱だったそれをあけると

『指輪・・・?』

シンプルなシルバーのリングだった。

リングの内側に英語で文字が彫られていた。

『耕太ぁ・・・。こんなことされたら一生あなたの事忘れられないじゃない・・・』

そこで私はまた泣き続けた。

いつまでもいつまでも。
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