空を見上げて
信也が受かったことは手紙で知らされた。
しかし愛美は、自分が受かったことを信也に伝えていなかった。
実際に会ってびっくりさせたいというのもあったし、どんな反応をさろるか心配だったから、先伸ばしにしてしまったというのもある。
(もし迷惑だとか思われたらどうしよう・・。)
そんな思いがひそかにあった。
そして今・・・。
その信也に似ている少年が目の前にいる。
制服は愛美と同じ高校のものだ。
昔よりずっと延びた背丈。低くなった声。
しかし、その整った顔立ちは愛美が知っている信也のものだった。