空を見上げて
(お母さん、どうして死んぢゃったの?)
(一人は寂しいよ)
あまりのショックで、愛美は人に対して心を閉ざしていた。
転校先の学校でも友達を作らずに一人ぽつんと過ごす。
そんな日々が続く中、一人の少年が愛美に話かけた。
彼の名前は多田信也(おおたしんや)。
愛美と同じ年。年齢にしては高めの身長とひょろっとした体格に整った顔立ちが印象的だ。
両親がいないため、愛美と同じく、祖父と祖母の家で育てられていた。
信也はクールで大人しい性格であったが、それが逆に愛美と合ったのか、二人は少しずつ仲良くなった。