私が他人を愛せなくなった訳。
幸せ『だった』
それからの私達は、他人からの批判を除けば順調だった。
「詩織[シオリ]、なんで直樹なの?」
何十回言われたかわからない友達の言葉。
直樹は異性にひどく嫌われていた。
理由は知らない。知りたくもない。
彼氏の嫌な過去なんて、聞いて良いことないと思った。
だから、私は友達に何を言われても曖昧な笑みを浮かべるしかなかった。