天国の丘
「のけ者とかそんなんじゃなく、皆で、こう、もっとオープンにって意味で……」
「アンタ達、ここんとこ余り上手く行ってないでしょ?」
「上手くも何も別にそんな関係じゃないし……」
「こら、もっと正直になりなさい。レナちゃんの事好きなら好きで良いじゃない。
自分の気持ちを隠す方が余程男らしくないゾ」
「そうは言っても、彼女の気持ちが……」
「相手の気持ちなんてどうだっていいの、大事なのは自分の気持ちでしょ。例え振られたって良いじゃない。想いをちゃんと伝える事が大切なんだから。
私がわざわざこんな話しをするのは、ウチの人から頼まれたからなの。本当なら、自分の気持ちもはっきり伝えられない臆病者になんか関わりたくないけどね。
私は一人でウジウジしてる男、嫌いだから。他人の恋愛に首を突っ込むのも、余り好きじゃないけど、大好きなレナちゃんの為でもあるし、ウチの人からの頼みでもあるからさ」
何か、すごい言われようだったけど、図星だったから、全然嫌な感じとかしなかった。
「レナちゃんと仲直りする良い機会じゃん。判った?
いい、これは、私と彼からの命令だからね」
その夜、閉店間際になってからレナが店にやって来た。