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「…今後、お前の事『倫』って呼ぶから俺の事も『怜』って呼べ」

あ、そーゆー事。

「はい、わかりました」

「敬語使うなって」

そんな事言ったってほぼ初対面の年上の男の人に馴々しく話せないよ…。

「努力します…じゃなくてする」

「ヘンなヤツ。それから異性の連れ込み禁止な」

「えー…、それはどーゆー意味でしょーか…じゃなくてどーゆー意味?」

「ラブホ代わりにすんなって事」

「ラブホ…」

その言葉を反芻し頬がカーッと熱くなった。

「何、顔赤らめてんだ。体型だけじゃなくそっちも幼児並か?」

クスクス笑う佐々木さ…じゃなくて怜に頬を膨らませた。

「それ、ちょっとひどい」

「どー見ても経験豊富そーでもなさそーだし、倫の想像力なんてしれてそーだけどな」

確かにその言葉は的を射てるけど失礼じゃない?

ブスッたれた私を可笑しそうに眺める。


「他人同士が住むんだから最低限のルールだと思うけどな。倫だって俺の何とかシーンてのは見たくねーだろ?」

私は力強く頷いた。
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