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「おはよう」

すでに朝食を食べたのかリビングでだらけていた怜に声をかける。

「はよ」

短い返事に、怜って私に無関心だなぁと小さくため息をつく。

関心を持ってほしい訳でもないけど、もうちょっと優しくしてくれても…。

そんな事を思いながらキッチンで食事の支度をしようとした私の前に怜が立ちふさがった。

「え?」

驚く私に構わず怜はあと数cmで唇が触れるというところまで顔を寄せた。

「キッ………ャァ―――ッ!!」

朝からものすごい悲鳴を上げて怜を突き飛ばす。

少しよろめいたものの大して動きもしない怜から逃げるように離れてキッチンに隠れた。

今の、何!?


「なッ!何すんのよッ!」

怜との距離を計りながら声を荒げる私に、当の怜は口元に拳を当てて何やら考えている。

「お前、絶対外で酒飲むなよ」

どっかで聞いたようなセリフを残し部屋へと戻って行った。



はぁ―――――っ。
びっくりした。

今だドキドキの治まらない胸に手を当て大きく深呼吸する。
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