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濡れた半開きの唇から目が離せない。

もう、知らねーッ!

再び、ビールを倫に流し込むと今度は唇を離さない。

ビールを飲み干した倫は何の抵抗もせず、反対に俺の首に腕を回した。

倫の咥内を這う俺の舌に倫の舌が柔らかく絡む。

官能的な倫の舌の動きに頭の芯が痺れるような感覚に捉われた。

こいつ、キスうめーッ!

そう思ったとたんハッと我に返り、抱きつく倫を引き離すと倫は不満そうなため息をつく。

頭を振って甘いキスに溺れた自分に喝を入れると、倫を引っ張り浴室に押し込んだ。

シャワーの真下に倫を立たせ水温が水のままコックを捻る。

「キャッ!?」

冷たい水が頭上から降り、ずぶ濡れになった倫が激しく頭を振った。

「………あ…?怜?」

酔ってトロンとしていた瞳にいつもの光が戻る。

「風呂に入って酔いが覚めたらさっさと寝ろ」

そう言い捨て濡れた倫を浴室に残しドアを閉めた。


部屋に戻って濡れた服を着替えるとベッドにうつ伏せになって頭を抱える。

酔ってんのは俺じゃねーか。

潤んだ瞳。
温かく柔らかい身体。
甘いキス。

すぐに忘れられそうもねーよッ!
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