ルームシェアリング
翌日の講義はうわの空で、早く夕方にならないかなと楽しみでならない。

満員電車だって後少しと思えば耐えられる。

指定時刻に間に合うよう地図を片手に辿り着いた所は清潔感のあるキレイな中規模のマンションだった。

こ…こ…?

地図に書かれたマンション名とエントランス前に表示されてる名前は正しく同一。

思ったよりいい場所に嬉しい反面家賃の高さをつい想像してしまう。

いやいや!
こういう所だからこそ家賃が高くてルームシェアなんじゃない。

例え家賃10万だって2人で割れば5万だよ?


かなりいい条件じゃない?
しかも学校から近いし、朝だって慌てる必要がないだろうし。

…とりあえず行ってみよう。




地図の端に記された部屋番号と目の前のドアの上方にはめ込まれているプレートの番号は一致している。

そして表札には『佐々木 怜』。

私は深呼吸してインターホンを押すと誰何の声もなくドアが開く。
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