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「ご、ごめん!何だか長湯しちゃって…!すぐ出るからっ!」

着替えを鷲掴みにすると急いで脱衣場を出る。

その私の手首を怜が掴み着替えが足元に落ちた。

「なっ…」

脱衣場の壁に押しつけられて目を見開く私に怜が意地悪そうに口端を上げた。

「昼にあんな事言ったから、わざと?」

昼間の事は気にしてないと言えば嘘になるけど、こんな状態になったのはわざとではない。

「ふーん。幼児体型ってのは訂正してもいいかな」

バスタオル一枚しか身につけていない私の身体を上からジッと見る。

「は、離してよっ」

「あんまり暴れるとバスタオルが落ちちまうぞ?」

それは…嫌だ!

「だったら…離してよ…」

「お前が挑発してんだろ」

「違…うよっ!」

今まで見た事がない怜の顔。

思わず目を閉じた私の唇が怜の唇で被われた。



あ…れ…?

この感触…どこかで…。

扱いの乱暴さとはうらはらに怜の唇は優しく私の唇を包む。

その心地よさにキツく結んだ私の唇が徐々に開き、怜が舌を差し入れてきた。

「ん…ぅ」

やっぱり、この感じ。

怜とキスした事ある…?
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