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「あ…あのっ!この部屋に住んでる人は女の人じゃないんですかッ!?」

驚きで声が上ずる私を上から下までジロジロと眺める。

いくら何でも男の人と住めないよ!

「俺こそ、来るのは男だと思ってたんだけど。あんたが『辻野 倫(つじの とも)』なの?」

「『とも』じゃありません!『みち』です!」

私が名乗ると佐々木さんはポカーンと口を開けた。


多分…私と佐々木さんはそれぞれ思い違いをしていたんだ…。

私は佐々木さんを『女』、佐々木さんは私を『男』だと。


気まずい空気に耐えれなくなった私はその場で回れ右してドアノブに手をかけようとしたとたん手首を掴まれ前に進めなくなった。

「まぁ、待てって」

強ばった顔で振り向く私に佐々木さんはニヤッと口端を上げた。
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