天気予報は暴風のち…Love!?
藤沢愁に会いたい。

バカみたいにそればかりが頭を廻る。

会ってどうなるものでもないってわかってる。
だけど、会わずにいられない。

その気持ちだけが私を動かして、休み時間や放課後に屋上へ上がる。

私は藤沢愁がいつもどこにいるかなんて知らない。

だから私が会った事のある場所しか思いつかない。

何度出入りをしただろう屋上の扉を懲りずに開く。



いる訳ないか…。

冬にしては穏やかで暖かい日差しに太陽を見上げた。

藤沢愁って太陽みたいだな。
温かく包んでくれるけど、近寄り過ぎると火傷する。

思わず陽なたぼっこをしてた私に授業開始のチャイムが聞こえた。

戻らなきゃ。

踵を返した私の前で扉が開いた。




「お前…何やってんの?」

藤沢愁!

一気に気が弛んで、涙腺も弛んだ。

「どーしたんだよ!?」

驚いている藤沢愁に体当たりするように、その胸に飛び込む。

「会いたかったの…」
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