天気予報は暴風のち…Love!?
藤沢愁は抱きついた私をゆっくりと身体から引き離した。

「ちょっと来い」

私の手を握ると扉の側面へと回る。

私を壁ぎわに座らせると、藤沢愁も壁にもたれて隣に腰を下ろした。

あんなに会いたかった藤沢愁。

でも、傍にいると何を話せばいいのかわからない。

泣き顔を見られたくなくて、俯く私の肩を藤沢愁が引き寄せた。

たったそれだけで、藤沢愁は私を満たす。

何を話すでもなく、藤沢愁の肩に頭を預けて陽なたぼっこ。

気持ちいいなぁ…。

あんなに焦って藤沢愁を探してたのが嘘みたいにのんびりしてる。


「お前、授業サボってるけどいいの?」

そうだった。
チャイムが鳴ったから戻ろうとしたのに。
そこで藤沢愁に会ってしまって全てが吹き飛んだ。

「うん…いいの」

「ふーん」

「藤沢くんは…どうしてここに?」

「サボりに来たに決まってるだろ」

当たり前のような口調が可笑しくて笑い声が零れた。
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