天気予報は暴風のち…Love!?
「見つかったら先生に怒られっぞ」

嚇しをかけてみると果穂は平然と言ってのけた。

「食べちゃえば証拠隠滅」

やっぱ、不良化してやがる。

「はい」

俺の口にポッキーを近づけるから、すかさずくわえる。

「何か久しぶりに食ったな」

「そうなんだ。また持ってくるね」

明るい笑顔で話す果穂にちょっと見惚れた。




「あ…」

何かと思って果穂を見ると指に挟んだポッキーを振って苦笑いする。

「最後の一本」

「そりゃ、もーこうするっきゃねーだろ」

ポッキーを取り上げると端をくわえて果穂に向く。

「え……もしかして…?」

お前の想像通りだよ。

ポッキーを振って果穂を促す。

顔を赤くした果穂が反対の端をくわえた。

軽い乾いた音と共にお互いの唇の距離が縮まり…ゼロになった。



「次はポッキー止めよ…」

小さく呟く果穂の肩を抱いて言ってやった。

「何持ってきても結果は同じだと思うぜ?」
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