天気予報は暴風のち…Love!?
「ほら」

マグカップに入れたコーヒーを手渡すと果穂は手のひらで包んで温かさを楽しんでいる。

ふいにクスクス笑う果穂にぶっきらぼうに訊いた。

「何だよ?」

「こんな愁が見れるなんて…特権だなって」

「こんなってどんなだよ」

「えーと…家庭的?」

果穂に風邪をひかせたくなくてやった事なんだけど。

「お前、バカにしてんのか」

頬を引っ張ると小さく果穂が唸る。

「誉めてんのに」

「そんな雰囲気なかったけど」

「それは受け取り方次第」

澄ました顔でコーヒーを飲む果穂はたまに生意気だ。

ちょっとイジメてやろーか?

果穂からマグカップを取り上げるとテーブルに置く。

「もうっ、愁!……え?」

果穂の肩を抱き耳に唇を寄せる。

「キャッ!?」

軽く噛むと首をすくめた。

「確か…果穂チャンて耳が弱かったよな?」

「え…?愁!?」

俺の妖しげな声に果穂の身体が固まった。
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