天気予報は暴風のち…Love！？

・不信と疑惑

愁の部屋を借りて制服に着替えた私は半乾きの冷たさに身震いしたけど、それより愁の傍にいるのが怖かった。

部屋を出て玄関に向かう私に愁が傘を渡そうとする。

「これ…」

「いらない」

「まだ雨降ってるだろ」

「走って帰るから」

「果穂っ！」

愁の声を背に私は家を走り出た。




愁の事は好き。

でも、まだ早いような気がする。

嫌がった私を愁はどう思うんだろう。

嫌われちゃうのかな…。



そんな事を考えながら、ひたすら家まで私は走った。





次の日の昼休み。

私は愁に会いに行けなかった。

愁にどんな顔をして会えばいいかわからなかったし、愁がどんな態度を取るかもわからなくて不安だったから。



「果穂」

机に座ってぼんやりと外を見ていた私は呼びかけに振り向いた。

「何、沈んでんの？」

「輝くん…」

私の前の席に座るとにこやかに笑ってこっちを向く。

「そんな事ないよ」

ちょっと無理して笑顔を返した。