天気予報は暴風のち…Love!?
「なーんか嬉しそうじゃね?」

階段に座りパンを噛りながら豊が訊ねる。

「そっかぁ?ちょっと面白いコトがあったからな」

「いいねぇ。俺なんてつまんね」

余計な詮索をせず、自分を振り返る豊に苦笑いする。

「豊。今日は先に帰って」

「えー!?今日こそはリベンジだって張り切ってたのに」

「またゆっくり付き合うからさ」

不満げに口を尖らせる豊をごまかして俺は立ち上がった。

「さて、たまには真面目に授業でも受けるかな」

伸びをする俺を豊がお化けでも見るような目つきで眺める。

「明日で……地球は終わりかもな…」

「うるせーよ。留年したくねーだけだよ」

納得したのかしなかったのか、豊も立ち上がってズボンの尻を払った。

「ナルホド。じゃー俺も付き合うわ。俺だけ留年なんてヤだからな」

ニヤッと笑って俺に付いてきた。
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