二度目の初恋



『はい』


「か、叶多っ?私だよ、千智!」


(叶多と話すの久しぶりかも…)


そんなことを考えていたら、


『何?俺、忙しいんだけど』


ドアごしに冷たい声が聞こえた。


「夏祭りのことだよ?今年も…行くよね?」



『あー、悪いけど、行けねーわ。』



「なんで?毎年行ってたじゃん?」



今までと全く違う態度に戸惑う。



『あのさー、それは小学校までの話だろ?俺がいつまでもお前に構うと思ってんの?』



――――愕然とした。


たった中学に上がって


4ヶ月ほどしか経ってないのに


今までの何年間もの関係が


一気に崩れた瞬間だった。




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