sence:color of green


笑顔できっぱり言い放つ彼女を
少年は素直に羨ましいと思った

彼女の発する一言一言に
彼女の想いがしっかりと痛いほど伝わってきた


それと同時に
彼女の"音"をどうしようもなく
聴いてみたくなった

「なあ、弾いてくれよ」

「うちの演奏高いで」

「いくらでも払ってやる
お前の音が聴いてみてえ」

「ははっ嘘嘘。ええで。
うちも弾きたい気分や」

少年は静かに手に持っていたヴァイオリンを彼女に手渡した
彼女は一回頷いて
それから静かに音を奏でた――


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