sence:color of green
「今、なんて?」
驚きが隠せなかった
それと同時に自分の聞き間違えではないかと半信半疑で彼女に問いかける
「あ? せやからあんさんほんまに音楽好きやんなって」
今度はしっかりとその言葉が鼓膜に焼き付いた
自分が音楽を好き
そう言われてさっきまで荒んでた心が綻んだ
「・・・なんでだよ?なんで俺が音楽好きだって思ったんだよ?」
彼女はきっぱりと俺の目を見て言った
「楽器や」
「楽器?・・・そのヴァイオリンか?」
「せや。このヴァイオリン何年使うとるん?」
「・・・12年」
「12年!?ほんまかいな!?」
彼女は信じられないと言った表情で少年を見る
少年は無言で深く頷いた
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