sence:color of green
「そら余計あんさん音楽好っきやなー」
少女はそれから「そうかそうかー」と何度も頷いて少年のヴァイオリンをじっくりと眺めていた
少年はわけがわからず
急かすように少年に問う
「んで、楽器がなんなんだよ?」
「あぁ、あんなこのヴァイオリンめっさ弾きやすいねん」
「それが?」
「うちな、普通は人の楽器使うときその楽器と波長合わんくて、どーしても感情がスムースに伝わらへんねん」
「嘘つけ。だって―」
だってさっきの音にはこれでもかってくらい
感情こもってたじゃねえかって言おうとしたら
彼女の言葉に遮られた
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