夜明けのカンタータ《詩集》
空
世界中で生まれたいのちの光が
いっせいに夜空から降り出した夜
ぼくは初めて
名前のないこころを持ったんだ
深い青から水色、桃色
くるくる色を変えるそらは
ただしずかに
たくさんの歓びと哀しみを
巻き込んで 巻きこんで
分厚い雲がこぼした涙
ちいさなちいさな無数の光を
見えないその手で
たしかに抱きしめていた
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