夜明けのカンタータ《詩集》
路地裏

息が止まりそうなほどに
強く抱きしめられたとき

ただ胸がくるしくて
涙があふれた

熱い胸
伝わる鼓動

嘘が嫌いな私と
嘘つきなあなた

握った手を離されて
やさしく笑われて

春の月が冷たい手をのばして
あなたを攫っても


最後まで言えなかった


好きだった



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