夜明けのカンタータ《詩集》
路
全部が全部1と0
足し算と引き算で出せる答えなら
どんなに楽だろう
孤独な月が笑う夜
僕は小さく口笛を吹いて
さっき見た
あの子の横顔を思いだす
嬉しそうで悲しそうで
今にも泣きだしそうで
ただその空っぽのてのひらに
手を伸ばしたくなった
なんでも消せるけしごむがあったら
どれだけ楽だろう
あの子の影に君を見ていると知った今
すりきれた愛が僕の背を押す