夜明けのカンタータ《詩集》
星
立ち止まるすべをしらず
無数の星の下を歩いている
時計の針が終わりの九時を指して
ぼくはひとつまばたきをした
きみの願う幸せが
どれほどのもろさで輝くのか
知っていながら 笑って
だいじょうぶだよ と
震える手を握った
きみのなみだと
あたたかな笑顔と
僕のしらない明日が
降る星と一緒に水たまりにとけるのを
僕はただただ
みている