夜明けのカンタータ《詩集》
線路

前を歩く君に手を伸ばして

あいしているだの
一緒にいたいだの
伝えたところできょとんとするだけの
かなしいばかりの君との関係

何年もそばにいたのに
何年も君を知らないままでいたような

心がからっぽになる瞬間が
夕焼けにあふれて溶ける

ことばもてのひらも
すべてを失くした君にとっては
ただのおもちゃでしかなかった
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