夜明けのカンタータ《詩集》
衝動

手を伸ばせば触れられる距離だ
君が隠しだがる過去も心も すべて

放課後の教室はカーテンと夕日の遊び場
囁かれる根拠のないうわさたち

オレンジと赤にまみれて
涙をこぼした君が小さく微笑む

胸の奥
心臓のきしむ音が

錆びついた鍵穴をこじ開けた

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