夜明けのカンタータ《詩集》
花の名

はじめて君の名を呼んだときのことを
覚えている


あれは麗らかな春の日で
ちょうどお日様が真上にきたころ


君はか細い僕の声に
頬を染めてうつむいて
小さく笑ったね



今から言うこと
できれば笑わないで欲しいのだけど

僕はたった

たったそれだけで

今日という日がこんなにも
愛しくなることを知ったんだ
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