夜明けのカンタータ《詩集》
あさのつくりかた
ピンクのくものふとんから
そっと顔を出したお日様が
たんぽぽの花を 照らします
愛をしらないこどくなハトは
だれかが落としたパンのくずを
宝物みたいに だいじにします
きらきら きらきら
はぐれたあまつぶが
葉っぱのうえで泣き出して
きらきら きらきら
それを見つけたお日様が
あたたかな光でつつみます
とおくで聞こえる
からすのなきごえと
新聞配達のおにいさんの
自転車をキコキコこぐ音
だれかが
だれかに
おはようを伝えるあさ
ちいさなちいさな いのちから
ぽたりとこぼれる涙はいつも
このかがやきのためにあるのです