セキララ☆
“いつの間に、大きくなったんだろう。”
昔は私の方が身長高くて、悠汰は“女の子みたい”ってからかわれていたに、今は凄く大人っぽく見える。
そんな考えに浸っていた時、ハッとした私は悠汰に聞いた。
「ねぇ、何処行くの?」
「もうちょっとだから……」
“もうちょっと”と言われたら押し黙るしかなく、私は悠汰に着いていった。
暫く歩くと、スタジオみたいな所に通された。
「ここどこ?」
そこにはズラリと楽器が並んでいる。
「スタジオ」
「そんなの見れば分かるよ!ここに何で来たのかっていう意味っ!」
そこに男の子が入ってきた。
「誰、その可愛い女の子?」
何かチャラそうな子だ。
「幼馴染みだ。家出と勘違いしたみたいで、連れてきた」
「へぇ〜、そうなんだ。君可愛いねっ、良かったら一緒に食事でもどう?」
「俺の幼馴染みに手を出すなっ」
「あら〜、悠ちゃんご機嫌斜め〜?」
「悠ちゃん言うなっ」
控えめで、大人しい筈の悠汰がこんな発言をするなんて。
私はさっきから驚いてばかりだった。
それと同時に少しショックを受けた。
目の前に居る悠汰が、私の知らない別人のような気がしたからだ。
「で、その子どうするの?」
「取りあえず此処に居てもらうしかないなっ。俺鈴のおばさんに電話してくるから、鈴見ててくれ。櫂(カイ)、手ぇだすなよ」
この人は、櫂と言うみたいだ。
悠汰は私を櫂くんに預けると、スタジオを出ていった。