君が姫で私が王子
2月14日
「一本!」
柔道場に響き渡る歓声。
「キャー!渚様ー!今日もカッコいいー!」
「ありがとう!」
女子に向かって軽くウインクすると、女子の歓声が高くなる。
私、石川渚は、杉皇高等学校2年生で、女子柔道部員。でも、今は男子と一緒に練習している。
男子も強いけど、いつも私が勝っちゃうんだよね。
そんな私は、女子にモテる。
ファンクラブもあるらしくて......今日もファンの子達が見学にきている。
部活が終わると、すぐに女子達に囲まれた。
「渚様!チョコ貰って下さい!」
あぁ、今日はバレンタインだったっけ。
「ありがとう。」
私は笑顔でチョコを受け取った。
ちなみに男子柔道部員達は誰にも貰えないみたいで、私の事を羨ましそうに見ていた。
「あー。今年もたくさん貰えたなぁ。」
袋いっぱいに入ったチョコを見ながら、一人呟いた。
物心ついた頃から、性格が男っぽくて女子に人気があった。
その代わり、一度も恋はした事ないけど......
別にしたいとも思わないけどさ。
「お疲れ様でした!」
私は、制服に着替えて部室を後にした。
校門を出た所で、一人の男が近寄ってきて
「あの......渚さん。これ受け取って下さい。」
と、チョコを渡してきた。
この人って......隣のクラスの
「金沢優......さん?」
「はい!優です。僕の事、ご存じだったんですね。嬉しいな......」
そりゃ知ってるよ。有名だもん。
美術部部長の優姫じゃん。男子なのに、性格女っぽい......今でいうオトメン?
それにしても、優姫にチョコ貰うなんて......これって逆チョコだよね?
まぁくれるって言うんだから、貰っておこう。
「ありがとう。」
と言って、私がチョコを受け取ると
「受け取ってくれて良かった......あっ!それじゃあ、僕は帰りますね。またお話して下さい!」
と優は顔を赤くして言って、足早に帰って行った。
本当、姫って言われるだけあるわ。
可愛い人だなぁ......
私より背低いし......
これが、私が優に抱いた最初の印象だった。
柔道場に響き渡る歓声。
「キャー!渚様ー!今日もカッコいいー!」
「ありがとう!」
女子に向かって軽くウインクすると、女子の歓声が高くなる。
私、石川渚は、杉皇高等学校2年生で、女子柔道部員。でも、今は男子と一緒に練習している。
男子も強いけど、いつも私が勝っちゃうんだよね。
そんな私は、女子にモテる。
ファンクラブもあるらしくて......今日もファンの子達が見学にきている。
部活が終わると、すぐに女子達に囲まれた。
「渚様!チョコ貰って下さい!」
あぁ、今日はバレンタインだったっけ。
「ありがとう。」
私は笑顔でチョコを受け取った。
ちなみに男子柔道部員達は誰にも貰えないみたいで、私の事を羨ましそうに見ていた。
「あー。今年もたくさん貰えたなぁ。」
袋いっぱいに入ったチョコを見ながら、一人呟いた。
物心ついた頃から、性格が男っぽくて女子に人気があった。
その代わり、一度も恋はした事ないけど......
別にしたいとも思わないけどさ。
「お疲れ様でした!」
私は、制服に着替えて部室を後にした。
校門を出た所で、一人の男が近寄ってきて
「あの......渚さん。これ受け取って下さい。」
と、チョコを渡してきた。
この人って......隣のクラスの
「金沢優......さん?」
「はい!優です。僕の事、ご存じだったんですね。嬉しいな......」
そりゃ知ってるよ。有名だもん。
美術部部長の優姫じゃん。男子なのに、性格女っぽい......今でいうオトメン?
それにしても、優姫にチョコ貰うなんて......これって逆チョコだよね?
まぁくれるって言うんだから、貰っておこう。
「ありがとう。」
と言って、私がチョコを受け取ると
「受け取ってくれて良かった......あっ!それじゃあ、僕は帰りますね。またお話して下さい!」
と優は顔を赤くして言って、足早に帰って行った。
本当、姫って言われるだけあるわ。
可愛い人だなぁ......
私より背低いし......
これが、私が優に抱いた最初の印象だった。