たんぽぽ

やっぱりコイツは、泣いてない方が断然いい。

俺はなぞっている手を離し、少女Aを起こし始めた。
起こすにはもったいないほど安らかな顔だったが。
「おい。起きろ。」
「……………………………ひっ!!!!」
「ぅわ。」
起こした瞬間、少女Aは俺に向かって拳をおもいっきり振り回した。
俺は間一髪で避けたが、非常に危なかった。
しかしながら、自分でも自分の冷静さに驚いている。
「落ち着け。少女A。」
「……いやっ!!………いやっ!!」
「嫌も何も。」
「やだ……………来ないで!!!」
「近づいてないから。」
ヒョイヒョイ少女Aの攻撃を避ける俺。
俺は避けながら、ずっと考えていた。

俺を誰と間違えているんだ?

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