たんぽぽ

「お前ってさ−。凄いもったいないよな。」
「……。」
何を言い出すのかコイツは。
「だってさ、お前すっげー美形の顔してるのに髪ボサボサだし、愛想は悪いし。」
「用件はなんだ。」
俺はいい加減この男、高嶺の言っていることにイライラして話を遮った。

その話は嫌なんだ。

「用件はね、なんだと思う？」
「……。」
黙り続ける俺に、高嶺は『う〜む。』と一回悩んでから言った。
「お前は朱詩とつるんでるだろ。」
「アカシ？」
なんだそれは。
人…………なのか？
というより、誰だよ。
「惚けても駄目だって。俺見たし。」
「何を。」
「真崎が朱詩と美術室で話してるとこ。」
「！？」
もしかして、アカシっていうのは少女Ａのことなのか？