たんぽぽ
高嶺の言葉は予想以上に俺の思考を掻き交ぜた。

俺と朱詩が高嶺より馬鹿。

それはもちろん学力の問題ではない。
生き方の話だろう。

俺が無表情ながら困惑していると、高嶺はクスッと笑って俺に言った。
「ま、でも俺はそんな真崎も朱詩も嫌いじゃないから。」
「……。」
そういうと高嶺はいつも一緒にいる友達の所へ向かっていった。
高嶺が戻った事により、高嶺以外の奴が俺の悪口を言い出したようだ。
よく聞こえる。

『おい、袈衣。なんであんな奴と話してたんだよ。』『そうだよ。』『ちょっと美形だからって調子こいてんだよ。』『だよな。俺は王子様〜みたいにさ。』『ウケる。それマジじゃん!!』

大声で笑い出す奴ら。
女か。

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