たんぽぽ
高嶺を見ていると無性にムカつく。
俺や朱詩と違って、愛想がよく、友達がいるからか?
俺は友達に囲まれて、笑う高嶺を見た。
彼はいつでも人の中心にいて、まとめるリーダーみたいな存在だ。
180度変わらない限り、俺が高嶺の立場になれる事はないだろう。
俺は高嶺を羨ましい、と思った事は一度もないが、たいていの男子は羨ましがる。
きっと、だが。
◇◆◇◆◇
放課後
俺は、高嶺に朱詩について聞かれた時から今の今までずっと朱詩の事が気になっていた。
その証拠に、気付けば美術室の前に突っ立っていた。
今日もアイツはいるんだろうな。
俺はいるのか分からないくせに、自信満々にドアを開けた。