貴女のためのこの命...
何の病気なのか気になったが、楽しそうに話す姿を見たら聞けなかった


『私ね、あの日から気持ちが沈んでてね。』
『あの日って?』
『啓介さんと初めて会った日。それから毎日絶望的な気持ちで、何もしないで時間だけが過ぎていって、毎日外を見てるだけだったの。そしたらある日見覚えのある人が現れて、その人を見てたらおもしろくって。』
『えっ?それってもしかしておれ?変なことしてたっけ...?』
『うん、してた(笑)だって子供相手に本気だして、ムキになってるのが遠くから見ててもすごくわかったんだよ。
雨の次の日に子供とサッカーやってたの覚えてる?
あの時なんてスライディングまでして、泥だらけになりながらやってたでしょ。』
『いや、それは...あの子らが生意気で...』
『啓介さんのそんな姿見てたら笑えちゃって、久しぶりに大笑いしたんだよ。
それから啓介さんが来るのを毎日楽しみに外を眺めてたの。
今度はどれなことするかなって(笑)
初めの頃は一週間に2.3回見かけたのに最近ずっと見かけなかったから...だから今日啓介さんを見つけたとき嬉しくって、病院抜け出して来ちゃった。』
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